2009年07月20日

金融の闇権力者ゴールドマンサックス史上最高益を考える

071909 ゴールドマンサックス.gif米金融大手のゴールドマンサックスが4−6月期で34億ドルもの最高益を計上.ゴールドマンサックスは、政府から不良資産救済プログラム(TARP)で100億ドルの公的資金を受けてから1年もしないうちに業績を回復させた、まさにスピード回復を達成させました.

ロイド・ブランクファイン会長兼最高経営責任者は「市場は依然として脆弱(ぜいじゃく)で、厳しい経済環境が続いているが、今回の決算は市場環境の改善と顧客基盤の多様さを反映した」との談話
Source:Asahi.com

しかし、好業績に回復させたのは、「市場環境の改善と顧客基盤の多様さを反映した」だけではありません.米政府から安いコストで資金融資をうけることができたゴールドマンサックスは、特別優遇を受けていたことをわすれてはいけません.


住宅バブルのゴールドマンサックス


2000年代の住宅バブルで、ゴールドマンサックスはサブプライム関連などの高リスク住宅ローンを証券化した金融商品(CDO: Collateralized Debt Obligation)大量に販売していました.2006年までに住宅ローン証券化商品は765億ドルもの住宅ローン関連を証券化し販売.そのうち三分の一がサブプライムでした.


2006年に販売した5億ドルの住宅ローン証券化商品をみると、ほとんどが第2抵当ローン(Second Morgage)で、その証券の純資産はたったの0.71%だけ.さらに、その商品の58%が、債務者の名前なし、住宅の住所なしなど書類不備がある住宅ローンでした.こんなジャンク債ばかりの証券化商品でも、格付け会社はAAAの高格付けをあたえ、ゴールドマンサックスは不良商品を優良商品として売ることができました.

リスクのジャンク債を金融商品として大量販売していたゴールドマンサックスなのに、なぜサブプライム危機の影響をあまりうけなかったのでしょうか?



その答えは、大手保険会社AIGにあります.



AIGによる間接救済


ゴールドマンサックスは、サブプライムなどのジャンクを金融商品として販売する一方、クレジットデフォルトスワップ(CDS:Credit Default Swap)という破綻保険を買い、リスクヘッジしていました.


住宅バブルが崩壊してから、サブプライム関連の破綻が相次ぎ、2008年金融危機に発展.CDSの売り手であったAIGは、多額の損失補償しなければならず、経営難に陥りました.


CDSの買い手であるゴールドマンサックスは、AIGが破綻するればCDSの損失補償を受けられなくなるので、破綻危機に追い込まれる緊急状態.


当時のポールソン財務長官は、9月金融大手のリーマンブラザーズの救済せず破綻させ、金融危機に発展.その翌日、850億ドルの公的資金でAIG救済するという方針転換をおこないました.


これにより、ゴールドマンサックスは、AIGから130億ドルの債権(債権1ドル当たり100セント)を100%回収することができたのです.


(破産した場合、裁判所を通じて債権者会議で協議し、債権の支払いを決めるため、100%債権を回収することはありえません.クライスラーの破綻処理では、債権者であった退職社員には債権1ドル当たり半分の50セントしか評価されませんでした.)


つまり、ゴールドマンサックスは、TARPによる政府融資100億ドル以外にも、AIGを通じて130億ドルの間接救済も受けていたことになります.



商業銀行に承認され、FRBから安い資金調達を可能に


さらに、2008年9月FRBは、投資銀行であったゴールドマンサックス(モルガンスタンレーもですが)は、銀行持ち株会社になることを承認し、通常の商業銀行へ生まれ変わりました.そのおかげで、FRBから直接安いコストで資金調達を可能にしました.



リーマンブラザーズを破綻させ、AIGを救済したポールソン財務長官.


去年9月の金融危機を対応したポールソン前財務長官は、あの混乱時に短時間で究極の選択をしなければならなかったのは理解します.結果論でいえば、ゴールドマンサックスの競合であるリーマンブラザーズを破綻させ、AIGを救済したのは事実です.就任前にゴールドマンサックスのCEOを務めていたポールソン前財務長官は、ゴールドマンサックス有利の判断したと批判されてもおかしくありません.


まとめ

1. TARPによる100億ドルの公的資金
2. AIG救済による130億ドルの間接救済
3. 商業銀行に承認されたことによる、FRBから直接安い資金調達
4. リーマンブラザーズ消滅、メリルリンチ破綻(BofAに吸収)、ベアースターンズ破綻(JPモルガンに吸収)により競合が減った

参考文献: Rolling Stone: Inside the Great American Bubble Machine

これらが金融危機がはじまって1年も経たない内に、ゴールドマンサックスが最高益を記録する要因になります.


2008年公的資金による政府の金融危機対応は、最悪の金融崩壊を防ぐことはできましたが、結果的にJPモルガンやゴールドマンサックスなど強者をより強くさせたことになります.

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P.S. 金融闇権力ゴールドマンサックス 政府連銀とつながる人脈

ゴールドマンサックスと政府のつながりは、ポールソン前財務長官だけではありません.これだけではありません.ゴールドマンサックス出身者が、政府、政権、連銀、世界銀行などの高官として就任しており、これらゴールドマン人脈は、かれらが金融を通じてアメリカを支配しているように見えます.

このゴールドマンサックス人脈については、次回にまわします.



posted by 小崎壮平 at 16:00| 金融闇権力 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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