2010年05月09日

ヨーロッパの財政問題 ギリシャは小さな問題

Source: NY Times

上の図は、ヨーロッパで破綻危機とされるPIIGS諸国(ポルトガル、イタリア、アイルランド、ギリシャ、スペイン)の借金と、その貸し借り関係をあらわした図です。

これでみると、ギリシャの借金(2360億ドル)と、他の国と比べると「小さい」問題だとわかります。
この「小さい」国(ギリシャ)に対して、先日、EUとIMFで総額1100ユーロ(1400億ドル)の緊急融資を行なうと決まりました。

ギリシャは混乱の中、1100ユーロの融資を受けられたとして、ポルトガル、スペインの財政問題が出てきたときに、対応できるかというところです。

スペイン
債務 1.1兆ドル
失業率20%、
ポルトガルへの借金860億ドル(ポルトガル債務の3分の1)
さらに、スペイン、ポルトガルの両国が格下げを受けた。
対外債務 (ドイツ 2380億ドル、フランス 2200億ドル、イギリス 1140億ドル)

イタリア
債務 1.4兆ドル
対外債務 (フランス 5110億ドル−フランスGDPの20%、ドイツ 1900億ドル、イギリス 770億ドル)


アイルランド
債務 8670億ドル
対外債務 (イギリス 1880億ドル、ドイツ 1840億ドル、 フランス600億ドル)


近い将来、ヨーロッパの債券市場は、厳しい「現実」に直面することになるでしょう。

ベストの策は、ECB(欧州中央銀行)が各国の国債を買い支えることですが、「今のところそれは議論していない」ようです。
(Source: 朝日新聞

ECBの条約は、ECBは国債の購入は許されていません。ドイツの最高裁は、ドイツの国内法がEU法より優先されるべきとの見解をしめしており、問題を複雑にしています。

ヨーロッパ諸国の国債がジャンク化すると、どうしようもない問題が出てきます。

(1)ヨーロッパの金融機関は、国債を担保に融資をしているので、金融機関が崩壊する
もしくは、
(2) ユーロ暴落
というシナリオ。


PIIGS諸国の財政問題に対処するには、EUがヨーロッパ全体の問題を解決する政治的合意が必要なのに、いまだにEUは「結束演出」している状況です。

Source: 毎日新聞

ギリシャはまだ「小さな」問題。
とりあえず今は「大きな」問題が出てこなければいいと願うEUです。


参考文献:Barron's "Interview with Adam Fisher" May 10, 2010



追伸

IMFによると、ヨーロッパの不良債権の処理は、まだ6割しは処理を終えていないとのこと。
アメリカ、イギリスは8割を終えているというのだから、ヨーロッパの金融機関はまだ爆弾を抱えています。

2010年4月30日 アメリカの不良債権は80%処理済み?
posted by 小崎壮平 at 14:28| Comment(0) | 政府債務問題・ヨーロッパ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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