2007年07月06日

グローバル化に農業は例外!

6月22日、WTOの会合で、インド・ブラジル・アメリカ・EUの貿易協定交渉が決裂しました。交渉のポイントとなったのは、先進国側の農業助成金の削減でした。なぜ途上国側が農業助成金の削減を求めるのか、アメリカとメキシコの自由貿易協定の教訓から、グローバル化がもたらす農業への影響を考えてみました。

(Los Angeles Times - June 22, 2007) ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

WTO talks collapse two days early ~Brazil and India criticize the U.S. for the meeting's failure blaming Washington for its farm-subsidy policy~

A crucial meeting of the World Trade Organization's four most powerful members has failed, dealing a major setback to efforts at reaching a new global commerce pact.

今日の英単語 collapse: 決裂、つぶれる、倒壊、 farm-subsidy:農業助成金 setback: 後退、つまずき commerce pact: 貿易協定 ■ 世界貿易機関(WTO)の米国、EU、インド、ブラジルのおける貿易協定のミーティングで、交渉期限の2日前をもって決裂した。

■ ブラジルとインドは、「米国が国内の農業へ支払われる助成金を、十分に削減していない」として非難。一方、EUと米国は、輸出産業への新しい機会をブラジルとインドは拒んだという。「貿易協定の合意で、新しい貿易の発展と貧困問題の解決につながるはずだったが、残念ながら新たな貿易がうまれることはなかった」 ■ アメリカの農業助成金は、国際的に農作物を不当に引き下げ、途上国にとって農産業を発展させることは不可能にさせることが問題視されている。 ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ 自由貿易に農業はなぜ例外なの? グローバル化には、自由貿易という原則ルールがあります。取引をする相手を差別したり、高い関税をかけて外国を締め出したりしてはいけないことになっていますが、そのルールのレフリー役がWTOという国際機関です。しかし、どの国も例外として扱う部分は、石油などのエネルギーと農業が上げられます。 なぜ農業は例外なのでしょうか? アメリカの農業生産コストが安いのは大規模経営による効率化のためだ、と思われていますが、実は米政府からの農業助成金によるものが大きなウェイトをしめています。 1994年に北米自由貿易協定(NAFTA)がもたらしたメキシコ農産業への影響をみれば明らかです。94年から02年まで、製造業で50万人の雇用増加に対して、農業では130万人が雇用を失いました(カーネギー財団報告書)。 特にメキシコの穀物としてつかわれるトウモロコシは、アメリカからの輸入量が3倍以上に急増。NAFTAにより貿易障壁が低くなり、メキシコの貧しい農家に直撃しました。結果的に、農薬を大量につかうアメリカ型農業や、耕地開拓ために森林が破壊しされ、環境破壊を引き起こしてしまいました。 そんな中、アメリカのトウモロコシ農家は収入の46%が政府からの助成金によってまかなわれているといわれ、トウモロコシの輸出価格は生産費よりも220〜30%安いのです(Mexico-U.S. Maize Trade Under NAFTA)。これでは、途上国側にとってこれは明らかに不公正な貿易となってしまいます。 途上国側にしてみれば、生産コストよりも安い価格で農作物が輸入されれば、自国の農産業が衰退してしまうから、まずWTOで先進国側の助成金の大幅削減を要求するわけです。 メキシコの姿をみれば、農業助成金の削減を求めるインド・ブラジルの立場がよく見えてきます。  

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posted by 小崎壮平 at 15:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 旧ブログ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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